老後資金はいくら必要?内訳や準備方法は? 2022-09-10 22:32:51
目次
老後資金とは?
老後資金とは、経済的には公的年金や預貯金などを生活資金として使い始める定年の時期を指すことが多いです。
生活費だけではなく、医療費や介護費、娯楽費なども含みます。
老後と呼ばれる期間は、退職時期である60歳の平均余命でみてみると、男性が約24年、女性が約29年と非常に長期間になっています。
そのため、これだけの期間ゆとりある生活を送るためには、定年退職後から支給される公的年金だけで賄うのは難しいでしょう。
老後生活を快適に過ごすためにも、計画的に老後資金を確保しておく必要があります。
老後に必要な生活費は?
総務省統計局のデータを参照すると、令和2年度における老後に必要な1か月あたりの生活費は、夫婦のみで約26万円、単身で約14万円という結果になっています。
細かな内訳としては下記のとおりです。
※老後に必要な1か月あたりの生活費(令和2年度)
項目 | 夫婦 | 単身 |
食料 | 65,804円 | 36,581円 |
住居 | 14,518円 | 12,392円 |
光熱・水道 | 19,845円 | 12,957円 |
家具・家事用品 | 10,258円 | 5,328円 |
被服及び履物 | 4,699円 | 3,181円 |
保健医療 | 16,057円 | 8,246円 |
交通・通信 | 26,795円 | 12,002円 |
教育 | 4円 | 0円 |
教養娯楽 | 19,658円 | 12,910円 |
その他の消費支出 | 46,753円 | 29,549円 |
非消費支出 | 31,160円 | 11,541円 |
総合計 | 255,550円 | 144,687円 |
※夫婦:65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)
※単身:65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)
参照:Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支|家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)|総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/kakei/2020np/gaikyo/pdf/gk02.pdf
この費用の内訳は生活していくうえで最低限欠かせない費用となっており、ゆとりある老後生活を送るためにはこれ以外に、「旅行やレジャー」、「身内とのつきあい」、「日常生活費の充実」などにかかる費用が必要になってきます。
「令和元年度生活保障に関する調査」によると、老後の夫婦2人世帯の最低日常生活費に加え、ゆとりある老後生活を送るためには1か月約36.1万円が必要になるといわれています。
高齢夫婦世帯も高齢単身世帯も、無職世帯では収入のほとんどを公的年金が占めているため、収入よりも支出のほうが大きく、1か月あたりの収支は赤字になっています。
実際に必要な老後資金は家庭によって大きく異なりますが、あらかじめしっかりと資金の準備をしておくことで豊かな老後生活が送れるでしょう。
老後資金の準備を始める時期
老後資金を準備するときは、できるだけ早い時期から資金準備をする必要があります。
今後の公的制度はどのようになるかわかりません。
定年退職してから準備をし始めるのでは手遅れになります。
退職して年金以外の収入がなくなることを前提に必要な生活費の準備を進めましょう。
毎月の積立金額が少なくても、積立期間が長ければ一定額の資金を貯めることができます。
例えば60歳までに約2,000万円貯めるとすると、30歳の場合、60歳までの30年間で毎月約5万5千円ずつ積み立てなければなりません。
貯め始めるのが遅くなればなるほど毎月貯めなければならない金額も増えていきますので、安心して老後を過ごせるよう計画的に準備されることをおすすめします。
老後資金を保険で準備する方法
個人年金保険
老後資金の積立に特化した保険として「個人年金保険」があります。
個人年金保険は、保険料を積み立てて老後に年金形式で受け取れるようにした保険で、死亡保障の機能をほとんど持たず、老後の貯蓄をするための商品になります。
受取期間が10年や20年などの一定期間のみのタイプと生涯にわたって受け取れる終身タイプがありますが、早期解約すると元本割れになる可能性があります。
支払った保険料は所得税の控除の対象になるため、節税効果も期待できます。
出来るだけリスクを少なくして老後のお金をコツコツ貯めていきたい人におすすめの保険です。
低解約返戻金型終身保険
低解約返戻金型終身保険は、一生涯保障が得られる生命保険で被保険者が死亡または高度障害になった場合に保険金が受け取れる保険です。
保険料払込期間中の解約返戻金額を低くすることで、通常の終身保険より保険料を抑えることができます。
また、保険料払込期間満了を過ぎると解約返戻率が上がります。
このような安定して積立ができる低解約返戻金型終身保険で老後の生活費に充てることもできます。
老後資金を保険以外で準備する方法
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCo(イデコ)とは、自分で掛金を拠出して運用方法を選び、商品の運用まで自分で行う個人型確定拠出年金とも呼ばれる私的年金制度です。
積み立てた掛金や運用益は原則として60歳になるまで引き出すことができません。
60歳からの受給には、加入区分に応じて掛金の上限額が設けられています。
また、掛金の全額が所得税の控除対象となり、運用で得られた利益についても非課税となります。税負担を軽減しながら、老後に備えて長期的な資産運用が期待できます。
つみたてNISA
つみたてNISAは2018年1月からスタートした少額投資非課税制度です。
つみたてNISA口座を使った積立投資であれば、年間40万円、最長20年にわたって利益が非課税になります。
投資できる銘柄は、金融庁が指定した一定条件を満たしている投資信託に限られており、毎月少額からでも継続的に積み立てられるため、投資初心者でも取り組みやすい制度になっています。
iDeCoとの違いとして所得控除は受けられませんが、積み立てたお金を好きなタイミングで引き出すことができるので、急に資金が必要になった場合でも対応することができます。将来を見据えて、自分にあったプランで老後資金を準備すると良いでしょう。
働く期間を長くする
老後資金を準備するためには定年後も仕事を続けることが一番の資産形成になります。
国民年金や厚生年金といった老齢年金の受け取りは原則65歳からです。60歳で定年退職すると、そこから5年間は収入がなく貯蓄を切り崩しての生活になります。
単身の最低限の生活費だけで年間約170万円×5年で850万円必要となりますが、定年後も年200万円の収入があれば5年で1000万円の収入になり、プラスで貯蓄を切り崩せば安定した老後生活を送ることができます。働けるうちはできるだけ長く働くことで、老後生活にゆとりができるでしょう。
まとめ
老後の生活費は公的年金だけで賄うのは難しいため、資産運用で老後資金を効率よく貯めていく必要があります。
老後の経済的な不安をなくすためには、老後の収入と支出をシミュレーションしてどのくらい足りなくなるのか見積もり、保険や投資などで準備する額を決め計画的に取り組むことが大切です。
特に早期に資金準備を始めることで、高い節税効果と運用収益を得ることが可能となります。
けがや病気になる可能性も考えながら、ゆとりある老後生活を送るためにも個人年金保険やiDeCoなどを活用して老後資金を少しずつ増やしていきましょう。
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